シナリオ感想「血戦!! 川中島」


ようやく「天と地と」モード(上杉謙信側)をプレイし終わったので、感想を書きます。
長くなるので内容は「続きを読む」からどうぞ。

内容はタイトルどおり永禄4年(1561)*1の第4次川中島の戦いを再現した一話完結型のSRCシナリオです。
プレイヤーは「風林火山」モード(武田信玄)と「天と地と」モードを選択し、プレイします。*2
 さて、第4次川中島合戦はもっとも激しい戦いとなり多くの将兵の犠牲を出したことで有名な戦いです。
今度のシナリオも気を引き締めて戦いに臨みましょう。
ふつうのSRCシナリオと異なるのは、(1)HP=兵士数、EN=体力(士気?)となっていること、(2)副将をアイテムとして装備する形になっていること、(3)兵科特性という概念があり、ファイアーエンブレムのごとき3すくみが存在する、という点です。
(1)に関してはHPは基本的には回復することがありません*3。根性などのHP回復SPも持っている武将もいません。
全てのユニットに特殊能力:部隊ユニットが設定されていることもあり、損害を抑えながら戦うのがとても重要となります。
(2)、(3)は部隊編成のおもしろさとして特筆したいポイントとなります。
副将としてつく武将には、さまざまな特殊能力や能力強化をもたらす者たちがいます。
さらに兵科特性も加味して部隊を編成することで優位に戦いを進められる可能性を与えてくれます。
私はすべて初期配置で戦闘を行っているので、この辺に関しては実際にプレイしてみることをお勧めします。
(ただ、一度は初期配置のままでプレイしないと感触はつかめないとは思いますが……)
なお、ユニットアイコンは全て指揮を執る武将の家紋となっており、戦闘に入ってから戦闘アニメで騎馬隊や槍隊といった部隊のアイコンが出現するようになっています。ユニット情報隠蔽オプションが有効になっていることと合わせてうまいやり方だなと私は思いました。


 シナリオについては、「三太刀七太刀」をはじめとする歴史イベントが所々で展開され、
雰囲気を盛り上げてくれます。ダメージ率や撃破などに応じて伝令が走り、
「○○殿、討ち死に!」などと報告が入ります。副将が戦死した場合はそれまで付加されていた効果は無効となります。
もちろん「風林火山」モードでの典厩[てんきゅう]*4などの特別な武将の場合は、それに見合ったやり取りとなります。


 戦闘に関しては、「風林火山」モードでは上杉軍が一気に攻め込んでくるので、
しっかりと防衛体制を整えて別働隊の到着まで粘りましょう。
何も考えずに負けないプレイをしていれば、「三太刀七太刀」イベントの後、追撃戦へ移行します。
ここで敵を全滅(敵部隊に逃げられても特に問題なし)させると、一応の「史実エンド」となります。
もっとも、SP(特に「気合」が重要)を使いまくれば、謙信公率いる本隊も敗退させることも可能です。
史実ではこの戦いで戦死している典厩もこのシナリオにおいては、生還させることも難しくないでしょう。
天と地と」モードに関しても、普通にプレイしていると「三太刀七太刀」の後に「史実エンド」となります。
ただ、「天と地と」モードの時の方が本陣を撃破するのは難しいような気がしました。
「史実エンド」と書きましたが、基本的にはエンディングのナレーションが若干変化する程度で
ほとんど終わり方は変わりません。「風林火山」モードのみ典厩の生死によって、信玄のモノローグか信玄、典厩、勘助の3人の会話になるかという違いが出てきますが。


この作品で私がインスパイアされたところ
・ユニットアイコンのバリエーションを増やしたくなった。
白覆面の法師武者とか、諏訪法性の兜をつけ袈裟をまとった武将とか……。
・列伝表示機能を持ったステータスインクルを開発したくなった。
信長の野望」のアレですね(笑)
・できればカットインなんかも……
アイコン核だけでも精一杯なのに、こんなことばっかり言っている私(苦笑)


↓はちょっと私が引っかかったところです。
かなり勝手ことをあげつらっているので、気分を害される部分がありましたらご容赦願います。


気になったところ
・「風林火山」モードでは追撃戦に移行した次のターンからBGMがデフォルトの設定に戻ってしまう。
私は2年ほど前に手に入れた「信長の野望 武将風雲録」の武田軍テーマ「甲斐の虎」と
上杉軍テーマ「毘の旗幟」のmidiをたまたま持っていたので、
リネームしてmidiフォルダに突っ込んで雰囲気を壊さずに済みましたが、
天と地と」モードではBGM固定されていたので、どうなのかなと思いました。
・もっとSRC ver2.2の新機能RenameTermコマンドを活用してもいいのではないか。
HP=兵士数、EN=体力という概念を押し出すのであれば、RenameTermコマンドでの変更はかなり有効であると私は思います。
・解説文が何もない副将がいる模様
寂しいといえば寂しいですが、労力を考えると仕方ないかもしれませんね。
・「三太刀七太刀」イベントが地味……。
川中島合戦といえば馬上から切りかかる上杉謙信、軍配団扇で受ける武田信玄、というほどの目玉イベントなのですが
画像調達の問題からかかなり地味な印象を受けます。
ですが、ここを強化するにはやはり画像製作者の協力が必須となるだけに、実現にはハードルが非常に高いものになりそうですね……。

*1:前年には桶狭間の戦いがありましたね。

*2:風林火山」モード、「天と地と」モードなる名称はR-ライオンが勝手に命名した。元ネタは大河ドラマの題名。

*3:例外として、武田側には「板坂法印」という医師がおり、彼の所属している部隊は毎ターン10%HPが回復する。

*4:武田信玄の弟、信繁のこと。この戦いで戦死している。